経口中絶薬について

2023年4月から日本でも経口中絶薬が使用できるようになりました。当院では、過去51年間手術による中絶を行ってきました。いままで一例とも重篤な合併症もなく、手術の安全性や有効性については当院では安心できるものと考えております。

当院では女性のリプロダクティブ ・ライツを重要視しており、今回経口中絶薬の導入となりました。

1,妊娠5週から9週0日の妊婦が対象になります。

2,妊娠前の超音波検査が、血液検査が必要です。術前検査として7000円かかります。その際に日程を決めます。

3,2種類の薬剤を内服します。1剤目を医師の面前で内服します。(当院では、1錠目の内服を月水土曜日のみとします。)内服後腹痛や出血が始まります。鎮痛薬(ロキソニン)でも治まらない痛みや夜用ナプキンを一時間に2回以上交換するような出血が2時間以上続く場合は当院に連絡をしてください。

4,1剤目の48時間後、2剤目を口に30分含みます。また、鎮痛剤を内服します。その後、入院になります。(当院では、当面、入院の都合上、月水金曜日になります。)

なお、令和6年12月からは厚生労働省の規制緩和により

ア:自宅での経過観察を希望する

イ:たて産婦人科から半径16キロメートル以内

ウ:千葉市にお住まいの方(千葉医療圏)

をすべて満たす方は、自宅で経過観察をすることも可能です。なお、その際は排出物は原則当院に持参して頂きます。埋葬希望の方は、お寺に支払う代金(5500円)が必要です。

5,2剤目内服後8時間以内(金曜日の午後4時まで)に87%の方では子宮内容物が排泄されます。排泄されれば、そこで診察後、退院となります。排泄がなければ、そのまま翌朝まで入院が必要になります。

6,24時間後まで(土曜日の午前8時まで)に93.3%の方では子宮内容物は排泄されますが、排泄されない場合は、手術となります。その後、退院となります。

7,経口中絶薬は、失神等の症状を伴う重度の子宮出血が必要になることもあり、海外では敗血症や中毒性ショック症候群に至り死亡した症例も報告されています。

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